マイコン半田ごてってなに?
半田ごてにマイコンが搭載されていて、メーカーが作成したソフトウェアで半田ごてが制御されているものです。
MINIWAREが作ったTS100元祖で、その後にTS80やSEQUREが作ったSQ-D60やSQ-001、PINE64が作ったPinecilというTS100互換のものも最近出てきました。
自宅用にはハッコーの半田ごてで良いと思いますが、外出時にFPVドローンの修理をするための持ち運び用半田ごてとして便利です。
参考リンク
TS100公式サイト
TS100ユーザマニュアル英語版v1.0.3
TS100ユーザマニュアル日本語版v1.0.2
TS100オリジナルOSv2.18
TS80P公式サイト
TS80Pユーザマニュアル英語版v1.1
TS80PオリジナルOSv1.27
マイコン半田ごての選び方
リポバッテリーを電源として使うならTS100系になり、私もTS100を使用しています。
両対応しているPinecilにするのも良いかもしれませんが、まだ出たばかりで評判は不明です。
TS80PはTS80の後継となるので、TS80を買うならTS80Pの方にした方が良いです。
TS100を買えば、同梱品としてXT60-DCプラグ変換ケーブルも付いてくるので、リポバッテリーさえあればそのまま使えます。
製品 | 最大出力 | 電源 |
---|---|---|
TS100 | 60W | リポバッテリー(DCジャック) |
TS80 | 18W | モバイルバッテリー(USB-C) |
TS80P | 30W | モバイルバッテリー(USB-C) |
Pinecil | 60W | リポバッテリー(DCジャック)、モバイルバッテリー(USB-C) |
なお、PinecilでUSB-Cを使って60W出力させるには、電源供給元となるモバイルバッテリーもPD2.0に対応していて60W出力が可能なものを用意する必要があります。
IronOSってなに?
マイコン搭載の半田ごてを高機能化するために有志によって開発されているものです。
メーカー独自のソフトウェアでそのまま使用も出来ますが、有志で開発しているIronOSに入れ替える事で、高機能になります。
初期はTS100用に使うものでしたが、今ではTS80やPinecilにも対応しています。そのため、GitHubのリポジトリ名もv2.13からはIronOSという名称になりました。それまではTS100というリポジトリ名でした。
ありがたい事に無償で利用出来、メーカー独自のソフトウェアと比較して、全ての機能でIronOSの方が勝ります。
IronOS適用手順(TS100やTS80Pの場合)
- GitHuBで公開されているのでWebブラウザでhttps://github.com/Ralim/IronOSにアクセスする。
- Releasesを選択する。
- 最新のバージョンのAssetsの欄にある、自分のマイコン搭載半田ごてのファイル名になっているzipファイルをダウンロードする。
- ダウンロードしたzipファイルを解凍し、その中に(MODEL)_EN.hexというファイルがある事を確認する。
- 半田ごての先端に近いボタンAを押したままPCとUSB接続して、DFUモードで起動する。DFUモードで起動した事はディスプレイでも確認可能です。
- USBドライブとして認識されるため、認識されたドライブに接続。
(充電専用のUSBケーブルだとNGで、データピンがあるケーブルを使用して下さい。また、私の環境だとWindows10環境ではデスクトップ、ノートPCのどちらもDFUモードで起動してもドライブとして認識されず、GPD PocketのUbuntu 20.04環境に接続したらUSBドライブとして認識されました) - 認識されたドライブに(MODEL)_EN.hexをコピーする。Ubuntuの方ではオートマウント機能で自動的にファイルシステムタイプvfatでマウントされました。
- コピーすると自動的に適用され、成功するとさきほどコピーしたファイルの拡張子が.hexから.RDYになる。.RDYにならなければ失敗。Ubuntuの場合はcpコマンドで問題なくコピー出来ました。
- もし、.RDYにならなかった場合は、そのままもう1度コピーし直す。私の環境だと初回は必ず(MODEL)_EN.ERRになり、(MODEL)_EN.ERRを削除せずにそのままcpコマンドで(MODEL)_EN.hexを再度コピーすると成功します。
- USBケーブルを抜き、電源に繋ぎボタンBを長押しするとIronOSのバージョンが確認可能です。
参考リンク
IronOS適用手順